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みずいろきんぎょ中編

みずいろきんぎょ中編です(^-^)
5.


「それにしても 水色きんぎょとは めずらしい。私も一度でいいから 見てみたいと思っていたんです」
ねずみは そう言いました。
突然現れたねずみに みのるとくるみが おどろいて目を丸くしていると ねずみは恥ずかしそうに 頭に手を置きました。
「これは失礼。帽子をどこかに 落としてきてしまったようで」

帽子がないことを ねずみは気にしているようでしたが 2人はそれどころでは ありません。
みのるも くるみも しゃべるねずみにおどろいてしまって 言葉が出てきません。
「お嬢ちゃん。水色きんぎょを見たいと おもいませんか?」

ねずみのことばに くるみはもっと目を まんまるくしました。
「ほんとうに 水色になっちゃったの? くるみの金魚」
「おや? うそだと思ったのですか? おにいちゃんは、うそつきなんかじゃありません」
「見たい見たい! ねえ どこにいるの? くるみの金魚」

上のほうから 音がします。

ぴちょん。

「2かいですね。 お二人のお部屋でしょうか。さあ 行きましょう。水色きんぎょを さがしに!」
ねずみはそう言ったあと みのるをふり返り にこりと笑いました。


6.


子ども部屋につづく いつもの階段なのに どこかいつもの階段では ありませんでした。
ふわふわとして 足の下ではずみます。
まるで水にうかんだ うき草のような たよりなさです。
長い長いその階段をのぼりきったあと みのると くるみと 帽子をなくしたねずみは 子ども部屋に飛びこみました。

でんきがついていないのに 子ども部屋は ぼんやりと明るくて 出しっぱなしの くるみのおもちゃが
ころころと ちらばっているのが見えます。
みのるは いつものように おもちゃをかき集めて クローゼットに向かいました。
くるみがママにしかられないように いつもそっと 片づけるのです。

「やさしい おにいちゃんですね」
ねずみがそう言いましたが くるみはうさぎをだきしめたまま へやの中を きょろきょろ。
「水色きんぎょは どこ?」
みのるが おもちゃをかかえて クローゼットをあけたときです。

ぴちょん。

あぶくのようなシャボンがぷわっとまいあがり なにかがその中から飛び出したように見えました。

きんぎょ?
けれども またあたりは しんと静まり ふたりといっぴきの前に 金魚はすがたをあらわしませんでした。

7.


「かくれんぼするつもりでしょうかね。 水色きんぎょは」
ねずみがいうと くるみがわらいました。
「あのね おにいちゃんはかくれんぼするとき いつもクローゼットにかくれるんだよ。だから すぐにくるみに 見つかっちゃうの」

みのるは かおを赤くしました。
見つけられないと くるみはすぐに泣き出してしまうので みのるはいつも クローゼットにかくれて 見つけてもらうのを 待つのです。

「やさしい おにいちゃんですね」
またねずみがそう言いましたが やっぱりくるみは あたりをきょろきょろ。
「水色きんぎょは どこ?」

ぴちょん。

こんどは となりのパパとママの寝室から音がします。
「となりだね」
「かってに入っては しかられませんか?」
「へいき へいき」
そう言って くるみはとなりの部屋にとびこみました。

くるみは 夜になるとさびしがって ママのベッドにもぐり込むので いつものことなのです。
「ぼくといっしょの部屋で ねむることはないんだよ」

ねずみにそう教えてあげると ねずみは「そうですか」と さびしそうに うなづきました。

8.


となりのパパとママの寝室も やはりいつもとすこし ようすがちがいます。
まっ暗なはずなのに すみずみまで よく見えました。

それに いつもきちんと かたづいているはずなのに ひきだしが いくつも開いています。
まるでなにかが そこから出入りしたように。

風がふわりとうごいたような 気がしました。
ひきだしのひとつから なにかが はみ出して ゆれています。
はんとうめいの 水色の ひらひら。

「きんぎょ!」
くるみが はしりだしました。
みのるもおどろいて ねずみといっしょにかけよりました。
くるみが手をいっぱいにのばして そのひらひらを ひっぱりだします。

けれどもそれは ママのお気に入りの 水色のスカーフでした。
くるみは がっかりしたようです。
「なあんだ」

そのとき 手にもっていたスカーフに くっついていたのか なにかがパラパラとひきだしから こぼれました。
こんどは ねずみが走りよって のぞきこみます。

それは くるみが生まれた日の しゃしんでした。
ママにだっこされた くるみを見て ほんとうにうれしそうに笑っている みのるがいます。
「いい写真ですね」
ねずみは しっぽをくるんと ゆらしました。

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